こころ社労士事務所の香川です。
アルバイトの有給休暇について多くのご質問をいただくため、分かりやすくまとめてみました。
日によって所定労働時間が異なる従業員に有給休暇を付与する際、賃金の計算方法は次の3つのいずれかを選び、就業規則に記載しておく必要があります。
1. その日に働く予定だった時間分の賃金
勤務予定だった所定労働時間に時給を掛けて計算します。
メリット:計算がシンプルで、従業員にも理解されやすい。
デメリット:所定労働時間が長い日に有給を取得すると支給額が多くなるため、繁忙期など所定労働時間が長い日に有給取得希望が集中する可能性があります。
なおシフト制の場合、シフトが確定する前に有給を申請された場合は、直近の勤務実績を参考に仮のシフトを組み、その日の所定労働時間を決定することが可能です。
2. 前3か月の平均賃金
過去3か月間に支払った賃金の合計を日数で割って算出します。
具体的には、時給制の従業員の場合、以下の2つの方法のうち高い方を採用します。
A:賃金総額 ÷ 暦日数
B:賃金総額 ÷ 労働日数 × 60%
メリット:どの日に有給を取得しても支給額が同じで、賃金の公平性が保たれる。
デメリット:計算がやや複雑。
3. 標準報酬日額(健康保険加入者のみ)
健康保険に加入している従業員の場合、報酬月額の1/30を基準として賃金を支払います。
採用するには企業と従業員代表との間で労使協定が必要です。
注意点:健康保険に加入していないパートやアルバイトにはこの方法は適用できません。
これらの計算方法のうち、どれを採用するかは企業の方針に基づき、就業規則に記載しておくことが重要です。
「アルバイトにも有給休暇が発生するなんて知らなかった」という方もいらっしゃるかもしれません。
補足説明となりますが、給与計算上アルバイトの有給休暇は「有給休暇分の給与支給」となり、月給者の「月給から有給取得分を欠勤控除しない」という点と混同しやすいのでご注意ください。
「計算方法をもっと詳しく知りたい」「就業規則の定め方はどうするか?」などのご相談は、ぜひこころ社労士事務所までお気軽にお問い合わせください。
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