大阪府茨木市「こころ社労士事務所」の香川昌彦です。
ハラスメントについて経営者から聞かれることが本当に多いです。法律論に基づいてお答えするのですが、それだけでは解決できないことが多々あります。
2022年4月からいわゆる「パワハラ防止法」が中小企業にも適用になりました。
パワハラ、セクハラ、マタハラ、そして最近話題のカスハラ。
「もう部下に何も言えない!」とか思ってぼやいている方も多いと思います。
でも私は、こんな風に思うのです。
例えば、会社で上司に、
「もう会社に来なくていい!!」
と言われたとします。
言葉だけで解釈すれば、パワハラ以前に労働基準法違反だな、と確かに言えます。
けれども、その上司が実は、その言葉をぶつけた人を信頼していて、ケアレスミスした場合なんかだと、
(こんなミスしちゃだめだよ。君らしくない。)
という、メッセージかもしれません。
(言い過ぎた・・・)
と、後悔しているかもしれません。
社員の受け止め方としては、
(ああ、ちょっと迂闊だったな。次から気をつけよう。明日、上司に謝ろう)
かもしれないし
(今まで一生懸命頑張ってきたのに、なんだ、あの言い方は!訴えてやる!)
とかになるかもしれません。
結局、言葉の真意は分からないし、どんな風に相手が受け止めるかも分からないのです。
だから、私は素朴にこう思うのです。
もっと、言い方を考えたらいいのになあと。
もっと、言葉だけとらえて感情的にならずに、相手の意図を汲み取ろうとしたらいいのになあと。
そう考えたら、本当の意味での「会話」が始まると思うのです。
何回も、何回も話し合えばいいんです。
それが面倒なら。
無意識的に面倒なら。
どちらも、ビジネスパーソンとしては、未熟と考えます。
けれども、経営者も社員もみんな部分的に未熟だから、お互い刺激しあって成長できると思うのです。
暴言はたしかにダメです。暴力は論外です。ただし、すべてを法律論に被せて窮屈にしてしまっては会社が窒息してしまいます。反射的に激高することは誰でもあります。それは本能的なもののあって仕方ないです(脳の中の「扁桃核」という原始的な部分が反応しています)。
本来的なハラスメントを防ぐどころか、言葉尻を捉える風潮がハラスメントを陰湿化させ、対話の機会すら奪っていることはないでしょうか?なんのためのハラスメント防止なのか、考える必要があると思います。
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