新入社員の離職率とその対策
新入社員の離職率は、近年高止まりしており、2022年には33.1%に達しています。これは、1990年代以降で最も高い水準です。
新入社員の離職率が高い原因は、大きく分けて4つあります。
仕事内容とのミスマッチ
新入社員は、大学や専門学校で学んだ知識やスキルを活かして、やりがいのある仕事をしたいと考えています。しかし、入社後に実際に配属された部署や仕事内容が、自分の希望と異なっていた場合、モチベーションが下がり、離職につながることがあります。
職場環境の不適合
新入社員は、社会人としての経験が少ないため、上司や先輩、同僚との人間関係に悩むことが少なくありません。職場の雰囲気が自分に合わない、人間関係がうまく築けないと感じると、ストレスが溜まり、離職につながることがあります。
ワークライフバランスの崩れ
残業が多かったり、休日も仕事を持ち帰ったりしていると、プライベートの時間が削られ、心身ともに疲弊してしまいます。これが原因で体調を崩したり、人間関係に悪影響が出たりして、離職に至ることがあります。
キャリアパスの不安
自分の能力やスキルを活かせる仕事に就けず、将来のキャリアパスが描けないと、やりがいを感じにくくなり、離職につながることがあります。
これらの原因を踏まえて、新入社員の離職率を下げるための対策としては、以下のようなものが挙げられます。
入社前のギャップ解消
入社前の会社説明会やインターンシップを通じて、仕事内容や職場環境について正確な情報を提供することが大切です。また、内定後に定期的に面談を実施し、新入社員の不安や疑問を解消する機会を設けることも有効です。
コミュニケーションの活性化
職場でのコミュニケーションを円滑にするための研修や勉強会を開催し、新入社員にも積極的に参加を促しましょう。また、上司や先輩が新入社員とのコミュニケーションを積極的に取ることも重要です。
ワークライフバランスの確保
適度な労働時間を維持し、仕事の効率化や仕事量の削減に努めましょう。また、残業や休日出勤を減らすための制度や取り組みを導入することも効果的です。
キャリアプランの明示
新入社員のスキルや適性を踏まえた適切な業務配分やキャリアプランを提供しましょう。また、上司や先輩が新入社員のキャリア形成を支援することも重要です。
これらの対策をうまく取り入れることで、新入社員の離職率を下げることができます。
なお、近年では、新入社員の価値観や働き方が大きく変化しています。従来の「終身雇用」「年功序列」といった考え方が通用しなくなり、若手社員は、自分のスキルやキャリアを重視する傾向にあります。
このような変化に対応するために、企業は、新入社員の価値観や働き方を理解し、柔軟な働き方やキャリア形成を支援する仕組みを整えることも重要です。
具体的には、以下のような取り組みが挙げられます。
- フレックスタイム制やテレワークなどの柔軟な働き方の導入
- ジョブ型雇用やスキルアップ支援制度の導入
- キャリア教育やキャリア相談の機会の提供
これらの取り組みを進めることで、新入社員が会社に定着し、活躍できる環境を整えることができます。辞めさせないではなくずっと働きたいと思える労働環境づくりが大切なのです。
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