【社労士が解説】経営者必見!雇用保険手続きのポイント – スムーズな申請のコツ

大阪府茨木市「こころ社労士事務所」の香川昌彦です。

今回はよく問い合わせのある「雇用保険加入手続き」について解説します。

【雇用保険の加入要件を確認する】  

正社員、パート・アルバイトなど雇用形態にかかわらず、雇用保険の加入条件を満たしているときは、加入者となります。
雇用保険に加入するには、次の①②の両方に該当することが条件になります。  

①1週間の所定労働時間が20時間以上である。
②31日以上雇用されることが見込まれる。  

ただし、雇用保険の加入要件を満たしても、以下の方は雇用保険に加入することはできません。  

【雇用保険の被保険者とならない人】  

・法人の役員
・同居の親族
・昼間学生
・季節的労働者(4か月以内または週30時間未満)
・家事使用人
・日雇労働者
・海外で現地採用される方
・副業として雇用され、すでに主たる企業で雇用保険に加入している方  

【昼間学生であっても、以下①~④に該当する場合は被保険者となります】  

①卒業見込証明書を有する者であって、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同一事業所に勤務する予定の者
②休学中
③事業主の命により又は、事業主の承認を受け(雇用関係を存続したまま)大学院等に在学する者
④一定の出席日数を課程終了の要件としない学校に在学する者であって、当該事業において、同種の業務に従事する他の労働者と同様に勤務し得ると認められる者  

【「雇用保険被保険者資格取得届」を作成する】  

資格取得届は、入社した月の翌月10日までにハローワークに届出しなければなりません。  

※雇用保険被保険者番号は、入社時に預かった前職の雇用保険被保険者証で確認します。
紛失などにより雇用保険被保険者番号が分かる資料が提出されないときは、前職の会社名・退職日を備考欄に記載し、届出してください。ハローワークにて番号照会が可能です。  

※雇用保険被保険者資格取得届の作成にあたって、マイナンバーを記載する必要があります。
マイナンバーを記載せず届出すると、手続きの返戻(差し戻し)となります。
従業員からマイナンバーの提出がされず記載できない場合は、その旨を備考欄に記載し届出してください。  

【「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークへ提出する】  

雇用保険被保険者資格取得届を以下の方法で提出します。  

添付書類: 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿(タイムカードなど)その他別途書類を求められる場合があります。
届出先 :事業所の所在地を管轄するハローワーク
届出方法:郵送または持参、電子申請  (電子申請にはGbizIDが必要)

【入社手続きに必要な書類】  

内定承諾後、入社手続を行うために、従業員には多くの書類を提出してもらう必要があります。
入社日までに必要書類を伝えておき、スムーズに回収できるようにしておきます。  

【必要書類例】  

□ 身元保証書
□ 緊急連絡先報告
□ 本人のマイナンバーが分かるもの
(マイナンバーカード、マイナンバー(個人番号)記載の住民票の写し、通知カード、個人番号通知書など)
□ 扶養控除等(異動)申告書
□ 住民票記載事項証明書(個人番号が記載されていないもの)または住民票
□ 今年度の源泉徴収票(アルバイトを含む前職がある場合)
□ 雇用保険被保険者番号がわかるもの(雇用保険に加入する場合)
□ 通勤手当支給申請書、住宅手当支給申請書
□ 卒業証明書等(新卒採用の場合)
□ 銀行口座申請書
※必要な書類は、企業や職種によって異なることがあります。
(例)業職で運転必須の場合:運転免許証、資格が必要な職種の場合:資格証明書 など  

※身元保証人を緊急連絡先として扱い、緊急連絡先報告書の提出を省くこともありますが、緊急連絡先が複数ある場合や、保証人以外に連絡すべき人がいる場合もあるため、どちらの書類も提出してもらうことをおすすめします。  

※マイナンバーを取得するときは、利用目的を通知または公表しなければなりません。
提出書類の案内に記載したり、利用目的を記載した書類を同封する方法が考えられます。  

※前職の給与所得の源泉徴収票は年末調整で必要になりますが、従業員側での書類紛失や回収漏れを防ぐためにも、なるべく入社時に回収することをおすすめします。  

※給与明細書は書面交付が原則であるため、電子交付(メールなど)で給与明細書を発行する場合は、本人の同意が必要です。  

あらかじめ入社時の必要書類として同意書(任意書式)を準備されることをおすすめします。
給与計算システムによっては、電子交付のための同意が専用WEBサイトを利用して、画面上で行えるものもありますのでご確認ください。

【参考:外国人を雇用するときの注意点】

①在留カード確認する
在留カードは在留資格が記載されており就労可能の資格がないと就労させられません。  

②ハローワークへ届出をする
雇用保険へ加入・未加入にかかわらず届出が必要です。
雇用保険に加入するときは「雇用保険被保険者資格取得届」、未加入のときは「雇入れに係る外国人雇用状況届出書」の届出が必要です。  

③制度について説明をする
税金や社会保険などについて説明し、給与から控除されることなどを伝えてください。  

その他、企業のルールなどの説明をしてください。  

④文化・習慣が異なることを従業員へ周知、研修する
文化・習慣が異なるので職場内で摩擦が起こる可能性があります。
外国人との働き方についての従業員への周知や研修の実施をおすすめします。  

⑤在留資格の更新・変更の手続きなどのサポート
税金、社会保険関係は日本人と同じ制度になります。 

以上、細かい点も含めて解説しました。
「なんだか難しそう」「時間がかかりそう」と感じたならそこはプロにお任せ!こころ社労士事務所へお問い合わせください。

香川 昌彦

香川 昌彦

社会保険労務士法人こころ社労士事務所 代表
全国社会保険労務士連合会(登録番号第27190133号)
大阪府社会保険労務士会(会員番号第22072号)
大阪府中小企業家同友会 三島支部 情報化広報委員長
茨木商工会議所専門家相談事業 専門家相談員
大阪府働き方改革推進支援・賃金相談センター 訪問コンサルティング専門家
関西圏雇用労働相談センター 労働相談員

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