大阪府茨木市「社会保険労務士法人こころ社労士事務所」の香川昌彦です。
「認知行動療法」について以前少し触れさせていただきました。
メンタルヘルスと認知行動療法
精神疾患と人事管理の関連性を重視して書いたので少し分かり辛かったかもしれません。 「認知行動療法」については、それだけで本が出来てしまうくらい内容が深いのですが、書ける範囲でもう一度書いてみようと思います。
今回は「認知療法」です。認知行動療法との違いはありますが、だいたい同じものとして捉えていただければと思います。
まず、「何故ストレスを感じるか」について。 シンプルに3段階に分けます。
- 出来事(ストレッサー)
- 考え、思い
- 結果、反応(ストレス)
抽象的なので、具体的に例を挙げてみます。
- 上司に叱られる。
- 自分をダメな人間だと思う。
- ストレスを感じる。
一般的なパターンです。 あまりメジャーではありませんが、この3つを英語の頭文字で「ABC理論」と呼んだりします。
- Affair(出来事)
- Belief(考え、思い)
- Consequence(結果)
認知行動療法はこの「B」の部分、つまり何か物事が起こったときの感じ方、思いを別の角度から考えてみて、その結果としてのストレスを和らげよう、というものです。
具体例に話を戻して、これを書いてみます。
- 上司に叱られる。
- ああ、上司は自分のことを思ってくれているんだ、部長からも相当叱られたんだなと思う。
- もう少し注意して仕事しようと反省する。
もちろん、こんなシンプルにはいきませんが、こんな感じで、捉え方によって、ストレスを感じるか、感じないかが変わってくるのです。 つまり、認知療法の目的は「物事の捉え方、考え方を柔軟にして、ストレスを軽減させる」ことにあります。
ヒトってそれぞれ、感じ方が違います。 上司に叱られて、すごくストレスを感じるヒトもいれば、全く気にしないヒトもいます。 その「違い」は先ほどのABC理論で言えば、「B」の部分が違うからです。
しかしながら、簡単に、考え方のクセって治りません。 だから最初は、例えば会社でストレスを感じるようなことがあれば、家に帰って「もう少し別の考え方があったのでは?」と、紙に書いたりします。 徐々に、徐々に、ストレスを感じにくくなる考え方が身についてきます。
方法はそんなに難しく考える必要はないので、試してみる価値はあるかと思います。私自身は、一回一回立ち止まらないとすぐストレスをためてしまうダメなタイプなのですが、この考え方で以前よりストレスは感じにくくなりました。
もっと興味のある方は精神科医や臨床心理士が書いた一般向けの書籍を手に取ることをおすすめします。
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