大阪府茨木市「社会保険労務士法人こころ社労士事務所」の香川昌彦です。今回のテーマは「怒り」とその対処方法についてです。
怒りの自然な感情
仕事をしていれば、良いこともあれば悪いこともあります。顧客に対して不満を抱くことも、時には怒りを感じることもあります。しかし、不満や怒りを感じること自体が間違っているわけではありません。これらは自然な感情であり、赤ちゃんでさえ不満や怒りで泣きます。
怒りの表現パターン
問題は、怒りをどのように表現するかです。主なパターンは以下の3つです。
- 抑え込む
- 他人への攻撃
- 自己攻撃
多くの場合、私たちは「怒りを感じてはいけない」と教えられ、抑え込むことを選びます。家庭内の喧嘩が良い例です:
母親:「どうしてあなたは家事をしてくれないの?」
父親:「ゴミ出しはしているじゃないか!」
母親:「ゴミ出しは家事のうちに入らないわよ!掃除くらいできるでしょ?」
父親:「オレは外で仕事をして疲れているんだ!」
このようなやりとりを見て、子どもたちは「怒ると問題が起こる。不愉快になるから怒らないようにしよう」と学んでしまいます。これが抑え込む習慣を強化しますが、抑え込むほど怒りは増大し、最終的には他人を攻撃したり、自分自身を責めることになります。
期待と怒りの関係
怒りの本質は「相手が期待通りに動かないこと」です。期待とは、相手に「こうあって欲しい、こうあるべき」と心の中で押し付けること。この期待が裏切られると、私たちは怒りを感じます。
事例から学ぶ
たとえば、電車でシルバーシートに若者が座っているのを見て「なぜ若者が?けしからん!」と怒ることがあります。しかし、その若者がヘルプマークを持っていることに気づけば、怒りは恥ずかしさに変わるかもしれません。ヘルプマークは、目に見えない障害を持ち、配慮が必要な方が付けるものです。
感情のコントロール
怒った時には10秒ほど時間を取り、「本当に怒るべきことなのだろうか?」と考えることが大切です。その結果、怒りを生むのは相手ではなく、実は自分自身かもしれません。
攻撃するのではなく、どう感じてどう行動してほしかったかを尊重して伝える技術はアサーションと呼ばれます。アサーションについては、別の機会に詳しく触れたいと思います。
まとめ
怒りという自然な感情を抑え込むのではなく、うまく付き合うことが現代社会では求められています。怒りを適切に表現し、自分と他人の健康を守る方法を学ぶことが、私たちにとって重要ではないでしょうか?
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