大阪府茨木市「こころ社労士事務所」の香川昌彦です。
教育と仕事について少し書きたいと思います。
「子どものなりたい職業ランキング」に今も昔も上位にランクインする「会社員」。当たり前ですが、これは「雇用形態」であって「職業」ではありません。
「会社員」が将来の夢というのは多分、親から子どもへ「安定してほしい」という願いの現れなのでしょう。
親が子どもに望むことは幸せで、それは間違いないと思います。
けれども、その時点で安定した職業を選べば幸せになれるのかと言えば、それは違うような気がします。
実際、大学新卒が「会社員」になっても、3年以内に転職する割合は30%くらいで、これは今も昔も実は変わりません。
安定した収入が得られそうな安定した会社への就職をゴールとしても、「それは違う」と実際に働いてみてやっと気づくことも多いのです。
大学でキャリア教育をほとんど受けていないので、自分で自分の人生設計図を考えて描く機会はあまりありません。考えないまま就職活動が始まります。最終的にバタバタして「とにかく内定」に走り回り、内定を取ると就職活動が終わります。
就職してから「なんのために生きるのだろう?」「仕事とはなんだろう?」と、やっと考え始めます。そして何も考えていなかったことに気づくのです。
キャリアを考えなくても国が、会社が用意してくれた線路に沿って走っていけば安心して暮らせた時代は、長い日本の歴史では極めて短期間の話です。とっくに終わっています
世の中はどんな仕組みで動いているのか。そして、どんな職業があるのか。それをわからない大人が子どもを育て、その子どもが大人になり子どもを育て、という悪循環が今の日本の姿だとも言えます。
たとえば、サッカー選手になる夢って素晴らしいです。でも全員がプロサッカー選手になれるわけではありません。それでもサッカーが好きで、それを仕事にするには?
サッカーボールを作る会社、サッカーボールの材料を作る会社、材料を輸入している会社、
サッカー選手を支える仕事は無数にあります。「サッカーに一生関わり続ける」ことはできるのです。
「自分の軸と仕事の軸=サッカーで世界を幸せにする」少し極端かもしれませんが、職業を選ぶとはそういうことだと思います。
選ばずに流されて、軸を持たないことで、社会人として迷子になります。だから選ぶ材料と選び方を子どもに伝えていくことがこれからは必要となってくるのです。
選択肢は無限にあります。でも選択肢を知り自分で選ばないと何も得られません。
そのことに大人が気づき。子どもたちに伝えていくことで、未来をともに作っていけたらいいなと思います。
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