大阪府茨木市「こころ社労士事務所」の香川昌彦です。
社長と話をしていると、必ず社員の指導についての話が出ます。
特にミスをしたときの対応は頭が痛いところです。ついカッとなって怒ってしまいます。
叱ることは意外に難しいのです。
ここで「怒る」と「叱る」の違いを簡単に説明します。
- 「怒る」
大声で怒鳴ります。
小さい声でブツブツと嫌味を言う場合もあります。
理性を失っています。
部下の人格を否定します。
過去のミスまで遡って、それを責めます。 - 「叱る」
周囲に聞こえないように2人で話します。
人格については触れません。
過去のミスについては触れません。その「叱る」原因となったミスだけに焦点を当てます。
ミスの事実を確認します。
ミスの原因を一緒に考えてます。
今後の防止策について一緒に考えて、部下に結論を出してもらいます。
最後に「期待しているからね」と労います。
さて、どちらの社員が今後成長するでしょうか?
「ミス」や「営業目標の未達」は、社長にとって絶好の指導ポイントです。
ここで対処を誤ると、その社員は成長しないし、萎縮して「パフォーマンスの低下」「自主退職」となってしまいます。最悪のケースは「パワハラ」で訴えられることになります。
では何故怒ってしまうのでしょうか?
答えはシンプルで「指導法がわからない」からです。
「自分もそうやって育ってきた」
と反論する方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら「怒る」という行為、そもそも何のためにやっているのでしょうか?
自分の感情をぶつけたいだけになっていないでしょうか?
ビジネスにおいて、感情はもちろん必要です。
モチベーションなんて、感情なしでは上がることはありません。
ただし、感情といってもいろいろあって必要なのは「愛情」です。
「怒るのは愛のムチだ」との主張があるかもしれません。
でもその「愛」伝わってますか?
伝わらなければただの「自己満足」です。
社員との信頼関係が壊れてしまう場合だってあるのです。
指導目的は人材育成です。
自分の思い通りにならないという感情が先行するかぎり、怒り続け、社員は成長しないという負のスパイラルが繰り返されるのです。
半年後、1年後、3年後のたくましくなった社員の姿を想像し、愛情を持って接することがなにより大切です。
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