茨木市「こころ社労士事務所」の香川昌彦です。
今回は労働保険について、少し書いてみます。社会保険という言葉は聞いたことがあっても、労働保険という言葉はあまり馴染みがない方も多いのではないでしょうか?
労働保険の概要
労働保険とは、労働者の雇用保険や労災保険などの社会保険の一つです。
社会保険という言葉の定義が意外と難しくて、初めて雇用する事業主の方が「?」となるところです。
- 広義の社会保険・・・健康保険・厚生年金保険・労災保険・雇用保険など公的保険
- 狭義の社会保険・・・健康保険・厚生年金保険・介護保険
前述した社会保険とは広義の社会保険のことです。
労働保険には、労働者の雇用状況によって適用されるさまざまな制度があります。事業主は労働者を雇用する場合、労働保険への加入が義務付けられており、雇用契約が発生した時点で加入手続きを行う必要があります。
労働保険には、労災保険と雇用保険という2つの制度があります。労災保険は、労働者が業務上の災害によって負った障害や死亡に対して、給付金や医療費の支給を行います。また、雇用保険は、労働者が離職した場合に失業保険給付金を受けることができます。教育訓練や雇用関係助成金の財源としても使われます。
労災保険と雇用保険に加入することで、労働者はこれらの補償を受けることができます。労働者は、労働保険に加入することで、労災保険と雇用保険の両方の給付を受けることができます。
労災保険とは
労災保険は、労働者が労働中または通勤途中に発生した事故や病気に対して医療費や給与の一部を補償する制度です。障害が残った場合年金も支給されます。万が一亡くなった場合は遺族に年金が支払われます。
労災保険は、従業員の生活を保護するための役割があります。労災保険に加入することは、労働者の権利保護と雇用環境の安全確保に重要な役割を果たしています。加入手続きには、労働基準監督署への届出が必要です
雇用保険とは
雇用保険は、労働者が一定の条件で雇用されている場合に加入することが義務付けられています。週に20時間労働していることがひとつの目安です。
雇用保険は、労働者が離職した場合や雇用状況が不安定な場合に、一定期間収入を補償する制度です。具体的には、失業手当の支給や就職活動の支援などを行います。事業主は、労働者を雇用する場合、雇用保険への加入手続きを行わなければなりません。
加入手続きには、ハローワークへの届出が必要です。雇用保険料の算出方法は、給与の額によって異なります。一般的には、雇用保険料の基準となる給与総額から一部の控除額を差し引いた金額が、雇用保険料の算出対象となります。雇用保険料の納付は、事業主が労働者の給与から控除する形で行われます。雇用保険料は労働者と事業主が折半して支払います(事業主の方がやや多くなっています)。
まとめ
労災保険と雇用保険は、労働者が安心して働くために不可欠な制度です。労働中の事故や雇用の変動による経済的なリスクから保護されることで、労働者は安心して働くことができます。事業主も法律に基づいた義務を果たすことで、健全な労働環境の構築に寄与します。制度の詳細や適用条件は変わることがあるため、最新情報を確認する必要があります。ただし情報収集はなかなか大変なので、社労士に情報提供を依頼するとよいでしょう。
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