大阪府茨木市「こころ社労士事務所」の香川昌彦です。
お金に関して決まりごとのない会社の話です。
例えば、社長お気に入りのA社員が退職。
退職金とは別に、会社の経費で、なにか+αの報奨金を支給。
B社員。
退職金を支給。
気に入らないC社員。
退職金なし。
信じられないようですが、中小・零細企業でよくあることです。
退職金のルールがないのです。
定めのない、気まぐれな退職金や報奨金。
たしかに、厚生労働省が作成した「同一労働同一賃金ガイドライン」では、基本給・賞与・各種手当・福利厚生や教育訓練の取り扱いについては明記されていますが、退職金制度に直接言及した部分はありません。
ただし、「不合理な待遇差については違法」との判例が多数あります。
なにも「退職金を均等にしなさい」という話ではなく、「支給するならきちんと基準をきめておかないとだめですよ」ということです。
そもそも、基準がないの退職金が出たり出なかったりする会社で安心して働くことができるでしょうか?人生設計できないですよね。
それとも、社長がなにか勘違いをしていて「会社のお金はオレのお金だから、どう使おうが自由」と考えているのでしょうか?
個人事業であろうと、法人であろうと、「会社のお金は会社のお金」です。
会社の従業員は、決められたルールの元に、お金を会社から頂く。
金額に差は出ても、計算方法にどこにも明記されていない、社長の気まぐれが入ってはいけないのです。
「就業規則」「賃金規程」「退職金規程」「報奨金規程」そして「人事評価制度」。
難しく定めれば良い、というものではありません。
どうやったら、お金を頂けるのか、社員が分かるようにすれば良いだけの話です。
誰も分からない昇降給基準と退職金では、人材は逃げていくばかりです。
法律を守らなければいけないから、はもちろんですが、社員の成長と定着が会社の成長に繋がることはわかりきったことなので、そこは「大事だけけれど急ぎじゃないから」と言い訳をして後回しにしてはいけないのです。
「緊急じゃないけど重要なこと」である「ルール作り」に着手していない会社は、目先に追われて結局成長しないのです。
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