休職と有給休暇の違い。これだけは理解しておこう。

休職も有給休暇も「会社を休む」ということでは変わりはありません。ただし、労働法上、就業規則上、その扱いは大きく異なります。「会社員は病気になったら休めて当然」「忙しければ有給は取らせなくて当然」とはなっていないので注意が必要です。

休職とは?

休職とは、簡単に説明してしまえば「解雇の猶予」です。私傷病により労務提供ができなくなれば通常解雇、あるいは自然退職となりますが、回復の見込みのある場合にその時間的猶予を与えるのです。よって、回復の見込みがない場合は、休職を経ずに解雇となります。

たとえばタクシーの運転手が失明した場合、業務としてのタクシーの運転ができないので解雇となります(ただし、企業は配置転換などで継続雇用の努力をする義務があります)。

休職期間中は傷病を治癒させるための努力をしなければなりません。よって、うつ病で休職していて、医師の許可を得ずに海外旅行等にいくと、処罰の対象になりえます。休職期間は自由に使っていいものではないのです。

有給休暇とは?

有給休暇は労働基準法で、労働者に当然に与えられる権利です。具体的には入社6ヶ月で出勤率8割以上の場合、10日有給休暇が付与されます(パートタイマー等、労働時間数が少ない場合は比例付与といって、有給休暇が労働時間に応じて少なくなります)。

会社の就業規則で有給休暇申請書に「有給取得理由」を記入させる場合がありますが、本来的に有給休暇は自由に利用できるので「私用」と書けば法律上の要件はクリアされます。あくまで、労働による疲れをリフレッシュさせる為に利用するのが有給休暇なので、会社に理由を知らせる必要はないのです。ただし、緊急の場合に備えて、連絡先は伝えておいたほうが無難です。

有給休暇はいつ取ってもいいわけではありません。例えば2月5日に有給休暇を取りたいと労働者が申請したとしましょう。その日は繁忙期で一人欠けると仕事が回りません。そんなときには会社は「2月5日はシフトが足りなくて無理だから代わりに2月10日にしてください」と有給休暇を取る日を変更することができます。労働者が「取りたい」というのを「時期指定権」、会社は取得日を変更して欲しいと依頼するのを「時期変更権」と言います。

なお、会社には労働者に有給休暇は年間5日取らせる義務が2019年4月から課されています。計画的に有給取得しないと、年度末にまとまることとなり、会社の業務に支障が生じるので注意が必要です。

休職の日数

休職の日数は法律では定められていません。よって、就業規則の定めるところとなります。一般的には勤続年数が長いほど、休職日数を長く設定している会社がほとんどです。勤続年数が長いほど会社に貢献しており、かつ優秀な人材であるという考えの元にこのような決まりがなされています。
ただし「勤続年数=優秀」とは限らないとの考えから、休職日数を一律にしている会社をあります。

有給休暇の日数

有給休暇の日数は先程も触れたように法律で定められています。入社6ヶ月で10日、1年6ヶ月で11日、最大で6年6ヶ月で20日です。時効は2年です。計画的に利用しないと消滅してしまいます。なお、有給休暇の買い取りは法律では会社に義務付けられてはいません。

勤続年数の扱い

ボーナスや退職金、有給休暇算定に必要な勤続年数に休職期間はカウントされません(してもよいのですが、そうなっている会社はほとんどありません)。有給休暇はカウントされます(これは必ずカウントしなければなりません)。有給休暇取得により、労働者に会社は不利な扱いをしてはならないと法律で定められているのです。

まとめ

休職も有給休暇も会社を休む、という点では同じですが、その内容に大きな違いがあることがご理解できたと思います。労使双方がルールを理解して、休暇・休職で争い事が起きないよう、日頃から就業規則に目を通しておくことが必要です。

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