うつ病で休職中に海外旅行は許される?休職期間の過ごし方。

うつ病で休職する社員は増え続けています。厚生労働省のデータでは、過去3年間で半数以上の企業に休職者が出ています。決して他人事ではありません。その一方で「休職期間どう過ごすが」についてはあまり注目されていません。今回は「休職中に海外旅行に行くのは体調管理的・道義的・法律的にどうなのか」について触れてみます。

うつ病の治療に海外旅行は有効か?

うつ病であるからといって、家にじっと引きこもっているだけでは回復は見込めません。ときには息抜きが必要です。例えば、軽い運動や、好きなものを外食に行く、程度ならなんの問題もありません。うつ病になると「何もしたくなくなる」ことが多いので、そういった意欲はむしろ回復の兆しです。

では海外旅行に行きたい、と思ってそれを実行するのは回復に有効なのでしょうか?結論から述べると、逆に悪化する可能性が高いです。うつ病とは「心身のエネルギー切れ」です。よってエネルギーを充填する必要があります。

海外旅行はたしかに楽しいですが、非常にエネルギーを使います。パスポートを取り、計画を立てて、旅行会社に行き、必要なものを揃え・・・。そして飛行機に何時間も乗り、現地でも何時間かバスに揺られ、日本語の通じないホテルやレストランで苦労し・・・。

エネルギーを使う要素が満載です。精神科医も、うつ病期間中の海外旅行には否定的です。健康でも海外旅行から帰るとぐったりしてしまいます。エネルギーが少なくなっているうつ病患者の場合はどうなのか、少し想像すればわかるはずです。

海外旅行は他の社員にどう映るか

また、他の社員に対する悪影響も避けられません。休職期間中にSNSで旅行の写真を載せて会社に知られるといったことがよくあります。自分が逆の立場だったらどうでしょうか?
1人欠けたことにより業務量が増大し、連日の残業。あるいは休職期間中の補充として派遣社員等を雇い。その業務指導に追われているかもしれません。なによりも「病気で休んでいる同僚が遊んでいる」のが許されないでしょう。

休職は休日・休暇とは異なる

そもそも休職と休日・休暇は全く性質の異なるものです。休日・休暇は自由に過ごせますが、休職中は療養に専念する義務があります。その一環として本人は会社に現状を報告しなければなりません。一方会社も、休職している社員の定期確認が必要となります。

海外旅行の例では、「治療上の問題」に加え「会社への報告」が問題となります。会社が知らないうちに海外旅行に行った、となれば懲戒処分となる場合もあります。

休職と就業規則

懲戒処分に触れましたが、どんな場合でも懲戒処分が下さるかといえばそうではありません。就業規則に「休職期間中の長期の旅行は、主治医の意見書を添えて会社に申請し許可を得ること」等の規程がないと実際に懲戒処分が下される可能性は低いです。ただし会社、具体的には同僚・後輩・上司・人事の信頼を失うことは間違いありません。

休職規程の必要性

信頼を失えば、たとえ復職しても元の人間関係に戻ることはありません。ストレスを感じ再発、退職という結末が待っています。会社もせっかく育てた人材を失うこととなります。
そうならないように、会社に「休職期間中の約束事」を決めておくことが必要です。「求職規程」です。会社にとっても、社員にとっても意味のある休職期間となるように作成することが求められます。

まとめ

うつ病で休職期間中の海外旅行は治療を遅らせて、会社での自分の立場を危うくさせるものです。たとえ就業規則に書いていなかったとしても、長期旅行は控えるべきです。
会社側もうつ病による休職を想定していない就業規則であれば、早急に見直す必要があります。

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