メンタル不調での休職の間の給料はどうなる?傷病手当金について解説します。

休職で一番気にかかることはなんでしょうか?「体調が回復するだろうか?」というのが最も多い答えです。次に多いのが「給料がもらえなくなるから生活をどうしよう?」です。人によっては体調より、お金の方が気にかかる場合もあるでしょう。生活基盤が侵されるのは、だれでも不安に感じるのは無理がありません。そこで今回は休職中に受給できる「傷病手当金」について、できるだけわかりやすく解説します。

傷病手当金とは

傷病手当金とは、健康保険から支給される、病気での休職期間中のお見舞金のようなものです。メンタル不調に限らず、病気になったらまずは病院にかかり静養しなければなりません。回復しないと仕事ができないからです。

しかしながら給料は当然のことながらなくなるので生活費+病院代が家計を圧迫します。結果、治りきっていないのに復職し、無理に働くことによって病気が悪化しまた休職、最悪の場合退職に追い込まれます。


そうならないように、健康保険では、ゆっくり治療に専念できるように、「傷病手当金」というものを給付しているのです。

傷病手当金をもらう条件

では、病気で休職したらどんな場合でも傷病手当金は受給できるのでしょうか?答えは「条件を満たせば受給できる」です。その条件とは以下のとおりです。

業務外の病気やケガで療養中であること

「業務外で」という意味は会社が原因の病気やケガではない、という意味です。例えば「調理の仕事をしていて大やけどをしてしまった」「シュレッダーをしていたら手を巻き込まれた」などが原因で会社を休職するときは労働者災害補償保険(いわゆる労災)からお金が給付されます。


通勤の途中に、階段で足を滑らせてケガをした場合も労災になります。会社に行くための通勤途中のケガも「通勤災害」と呼ばれ、労災から給付されるのです。


メンタル不調は労災だ、と思った方もいらっしゃるかもしれません。ただし、労災認定の話をすると、今回のテーマから外れてしまいます。よって今回は説明を割愛させていただきます。

療養のため働くことができないこと

つまり、病気やケガで働けないということです。働けないかどうかは主に医師の意見やその人の業務内容等を考慮して決められます。「うつ病だから休職します。傷病手当金をください」というだけで受給できるものではありません。

4日以上仕事を休んでいること

病気療養のために仕事を休み始めてから連続した3日間を除いて、4日目から傷病手当金は支給されます。民間の医療保険でもそのような内容のものがありますが、理屈としてはそれと同じです。

給料をもらっていないこと

給料という名目でなくても、会社から「休職手当」「休養手当」等の名目で支給されている場合、傷病手当金は受給できません。ただし、傷病手当金よりもその手当等が少ない場合は、差額が傷病手当金として支給されます。

傷病手当金の金額

では肝心の傷病手当金の金額はどれくらいなのでしょうか?これは以下の式で計算できます。

1日当たりの金額:支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)

わかりにくいですね。まず「標準報酬月額」という意味がピンとこないかもしれません。これは、毎月の健康保険料の計算のベースとなる金額です。健康保険料はその月に支給される給料に保険料率を掛けるのではなく、標準報酬月額に保険料率をかけます。結果的に毎月の健康保険料は一定です。標準報酬月額の決め方は複雑なので割愛しますが、「ほぼ給料の額」と考えていただければ結構です。


その標準報酬月額の1年間の平均30日で割って2/3掛けたものが傷病手当金の1日あたりの金額。よって、1ヶ月分はその28倍~31倍。
やっぱりわかりにくいです。
おおよその金額は「額面給料の2/3が傷病手当金(おおよその目安」です。

他にも被保険者期間が12ヶ月に満たない場合は別の計算方法があるのですがその場合の目安は「額面給料の2/3か30万円かどちらか少ない方」です。

「2/3だけか・・・」と思った方もいらっしゃるかもしれません。ただし、この傷病手当金は税金がかかりませんので、おもったより手取りは多くなります(社会保険料は今まで通り支払い続けなければなりません)。

傷病手当金が支給される期間

いつまでも傷病手当金を受給できるかといえば、そうではありません。1年6ヶ月が最長です。その間に復職して、また休職しても期間はリセットされません。あくまで同一傷病につき最長1年6ヶ月です。

傷病手当金は退職したらもらえない?

休職可能期間が過ぎて会社を退職せざるを得なくなった場合、傷病手当金は引き続き支給されるのでしょうか?答えは「支給されます」ただし、条件があります。それは、健康保険の任意継続をすることです。


退職すると、国民健康保険に加入される方が多いですが、そのまま会社の健康保険に加入し続けることができます。これを「任意継続」と呼びます。注意しなければいけないのは、支払う健康保険料が約2倍になることです。


健康保険料は会社と折半が原則ですが、退職して任意継続している場合、会社が負担していた分も、本人が負担することになるのです。


注意点は退職日に出勤した場合、今まで継続して傷病手当金を受けていたとしても受給資格を失うということです。

まとめ

以上、休職期間中の傷病手当金について解説しました。少しホッとされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?また、休職中で傷病手当金を受給されていない方は一度会社にご相談ください。


お金の不安が解消されれば、ゆっくりと回復に専念できます。メンタル不調にしても、他の疾病にしても、早く元気で働けるようになることが一番です。

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